ぶどうの木のあれこれ

カウンセリングルーム『ぶどうの木』へようこそ。

ストレス社会と心のケア  

10月も半ばを過ぎました。

季節的にみれば、秋がこれから本格的に深まり、だんだん空気も冷えて感じられるようになるはずです。
しかし、今日昼間に歩いていたら、この辺だけかもしれませんが、ギラギラと太陽が妙に熱く照っているのを感じ、薄いワイシャツでも暑く感じるぐらいの陽気でした。

       

紅葉 

 



わずかづつでも天候、気候の温暖化を実感できるようになってきました。新型インフルエンザの長期に渡る流行、台風やサイクロンの大型化、北極の氷が10年後にはかなりの部分が溶けてしまうというニュースがかけめぐり、温暖化の影響による変化が急速に進んでいるようです。

なお、こじつけとも思われるかもしれませんが・・
気候の変動は、人間の感情にも影響を来しているかもしれません。さわやかな涼しい風がそよぐ秋風が吹くはずであろうこの時期に、汗ばむほどの陽気と湿気を感じ、秋の長雨によって静かに心を落ち着くはずが連日の日照りと、唐突に現れる台風や雷雨などによって、人々の不快指数も総合的に上がっているような気がしてなりません。

おまけにこの大不況。雇用の不安定化と、経済格差。政治は政権交代によって、大転換を期待されているが、さしたる違いが未だ分からず、天文学的数値の国家予算の値が飛び交い、先が見えなく、私たちのくにはどこへ向かおうとしているのか。

この世界規模で不穏な空気に包まれている現代に生きている人々には「こころのケア」を必要としている人が多くいます。

さまざまな意見や見方はあるとは思いますが、現代は、私たちが多くのストレスを抱えやすい社会になっているのは
間違いありません。コンピューターや携帯、その他さまざまなメディアの大普及によって、それこそ途方もない数の情報を浴び、そして、以前の価値観や道徳観、コミュニケーションの仕方が通じなくなってさまざまな分野において新しい見識を持っていかないと、取り残されていくような不安、時間の流れというものの中でじっくりと落ち着いて考え、取り組むということが許されず、どんなときでも迅速、手軽、簡単ということが要求され、急かされることに答えることできず、衰弱し疲弊していく。

     
      池ともみじ


このようなストレスが蔓延した現代社会では、心の緊張を緩め、そして自然に動かしていくという、人間が自然に身につけている自己調整機能が働かなくなることが多くなります。
それを「心のケア」によって回復させ、その人なりの自然さで働くようにしていくことが必要です。 この部分が、私が目指すカウンセリングの主たる目的です。

それは、自分の心を自分で理解し、「こういう気持ちをもっていこう」「こんなふうな思いを思ってみよう」「こういう心の感じ、イメージを持っていこう」という、自分で自分の心や気持ちを作っていくことがうまく、自然にできるように支えるということをします。

今、生きているなかでさまざまなストレスを抱えていて、苦しんでいる方がたくさんいらっしゃると思います。
自分の心のこと、気持ちの問題に対して、いくら人から励ましを受けても、また様々な心についての本や啓発書などを読んでも楽にならない人もいらっしゃることでしょう。

また、こんなふうになったのは「自分が精神が弱いからだ」、「自分がダメな人間だから」という思いが強く、その自責感に苦しんでいる方もいるでしょう。

さまざまなストレスにも上手に自然に自分で対処できるようになり、心の問題や苦しみ、不具合を改善していくためには、自分ひとりではなかなか手だてが見つからないこともあるでしょう。

こういうことを専門的にお手伝いするために、私たちカウンセラーや臨床心理士がいます。

こちらでは自己催眠法というセラピー技法をつかって進めていくこともしています。これはリラクセーションをうながし、心身の緊張を緩和させていき、そして「思ってみる 語りかける」というワークで自分で気持を作り、動かすということが自然にできるようにしていきます。さらに「イメージワーク」で、自分にとってしっくりくるイメージや
「なりたい自分」を眺め、味わってみるということをしていきます。

この方法は、「行動する やってみる できるようにする」ということにこだわる過度な達成努力、現実原則志向をいったん棚上げして、まず、不必要に入ってしまった過度な緊張をやわらげます。
そして、「自分の気持ちを作ってみる」という、心の大切なワークをしていきます。
こうやって、心の状態を修復し、様々なことを思うことができ、感じることができ、イメージできるようになるように心の機能を作りなおしその人らしいいきいきとした生き方ができるように、サポートしていくのです。

この方法については、また機会をつくって詳しく説明します。

私たちは、あなたたちの心の機能が自然に働かなくなったことよる「生きづらさ」や「うまくいかなさ」、「自信のなさ」、「何をやってもダメな感じがする」という不安感に、頑張ることなく対応できるように、支えていきます。

あったかいお茶を飲み、くつろぎながら、ゆっくりお話をうかがいます。

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category: ストレス社会と心

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秋   人を大事に・・  

昨日は、仲秋の名月の日でした。夜散歩にトコトコと出かけ
夜空にくっきりとまあるいお月さまが浮んでおりました。

月の光で仄暗く照らされた夜空は濃い藍色で、雲の様子もきれいに
見れました。
空気も少しひんやりとして、静かな虫の声。ゆっくり歩いていると、
心も体も深呼吸し始め、静かに落ちついてきます。
まだ、今日などはやや暑いくらいの感じでしたが、だいぶ秋も深まって
きましたね。

             月
        

気がついてみれば、もう10月。
あと二ヶ月で今年も終わりなどと考えてしまうと、時の流れの早さに
あらためて驚いてしまいます。

先日、学生時代に恩師同然の存在だった先生と久しぶりに電話で話しました。
忙しい中でしたが、私の個人開業に至った経緯をじっくりと聞いてくれました。
その先生が最後に何気なく言ってくれた、「人を大事にな」という言葉が
妙に心に響きました。
私は、このような仕事をしていますが、自明であるはずのこの意識が欠けて
しまうときがあるのではないかと、しばらく悶々としました。

現在、私は自分のルームの仕事以外に被害者支援という事業に携わっています。
さまざまな事件や事故、災害に突然見舞われた人の多くは、あまりのショックや
心の外傷によって今まで普通に暮らしてきたこの現実が、恐ろしいもの、不安に満ちた世界へと
変貌してしまいます。
被害者は、被害のあとさまざまな事後処理の手続きをしていかなければ
いけません。犯罪事件、事故であれば事情聴取、裁判などの刑事的な処理、
災害にあった人は、生活の建て直しと新しい暮らしへの移行、学校へいく、
社会に復帰する。普通、健常の状態でも、かなりのエネルギーを費やすことを
被害者の方たちは、とてつもない心の重荷を持ちながら、これらのことをこなして
いかなければならないのです。
もちろん事件や災害によって、不具合な生じてしまった心の機能を回復させて
いくことは大事なのですが、被害者の方たちのその後の日々の生活、暮らし、
そしてその方たちにとっての「現実」というものも含めて、被害者のことをトータルに
サポートすることが大事ではないかと、痛感してきています。

被害者は、人々の何気ない一言や、こちらが普通の感覚で行っている「支援の手続き」
に、時としてとても傷つき、心を痛め、そしてそんなふうに敏感になっている自分の
ことでさえも「私はなんて弱いのだろう」とか「私はダメな人間だ」と責めていくのです。
被害者の方とじっくり話していると、こういった繊細で、刻々と動く心のざわめきに苦しんで
いる様子に出会うことがあります。
昨今は、裁判など司法機関が「被害者の側に立った」システムづくりが、急速に
進められています。しかし、我々支援に携わるものは、限界があるかもしれませんが、
もっと被害者の心の奥にあるものをきちんと理解する機会が必要だと思います。
そうでないと、理念だけが先行し、形ばかりの支援システムがかえって被害者の
生きていく道筋を妨害することになりはしないか、という危惧を抱いてしまいます。

         夕暮



「人を大事にする」。  この言葉の意味を噛み締めながら、自明であるはずの
このことを重く受け止め、私はいつもこの地点に立ちかえって、
臨床という自分の作業を見直していきたいと思います。
相談をする方、クライエントさんのお話から、その方が日々どのような暮らしを送り
どのようなことで心を痛め、何気ない言葉や微妙な刺激がどんなふうに、その方に
とっては感じられてしまうのか、そういうことに繊細に気を配れるような対話を心がけて
いきたいと思います。

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