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ぶどうの木のあれこれ

カウンセリングルーム『ぶどうの木』へようこそ。

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漂流  

また更新、お久しぶりになってしまいました。

あいもかわらず、ゆるゆるとブログを書くために一段落。
寒くなってくると、何事にも億劫になってしまいますね(寒さのせいにするな!)。

秋も深まり空気も澄み、冷たい風も心地よく感じるときがありますね。

秋の青空



月日が経つごとに、夜も長くなっています。
あれこれと動くのも面倒で、ごろごろと読書を楽しんでいます。

今、吉村昭さんという作家の本をいくつか漁り、「漂流」という物語をつい先日読み終えました。

江戸時代、高知の商船が嵐で沖に流され、途中、帆も楫も折れ遠く遥かかなたまで漂流し、ついには無人島に流れ着くという、日本版「ロビンソン・クルーソー」のような冒険記です。

これは実話を元にしたノンフィクションの物語です。

4名で「鳥島」という無人島に流れ着き、生活を始めます。
ところが、この島は火山島で、川も木もほとんどないおよそ人が住む場所とは程遠い不毛な地。
こんな島で、主人公は12年も暮らします。
いったいどうやって、10年以上も生きながらえたのでしょうか。

主人公、長平の、島での地を這うようなすさまじい生き方と人間の知恵を、鮮やかに克明に描いた物語でした。

久々にワクワクし、毎晩「次はどうなるのか」と胸が踊り、極上の読書時間を堪能しました。

吉村昭という作家は、この物語で「死」というテーマと真正面から向き合い、人間が生きることの困難と渇望を生なましく描ききっています。


震災後、多くの人が困難のなかにあり、また世の中自体も不穏な空気に包まれています。
慎重に言わなければなりませんが、人間が本当の意味で「豊かに生きる」とはどういうことなのかを、逃げずに熟考し、直視しなければならない時期に来たように思います。
この本を読んで、そんなことをツラツラ考えました。

ひとの言葉が今まで以上に、淘汰される時代です。
どんないい言葉もまやかしや欺瞞のように聞こえてしまう。そんなつもりもなくても、そう思ってしまう。
嫌な時代だと言えば、嫌な時代です。

最近の野田首相や、オバマさんの言葉よりも、被災地に訪れたブータン国王の「みなさんの中には人格という竜がいます。歳をとって経験を積めば竜は大きく強くなります」という言葉がよほど鮮烈に印象に残ってしまいます。

しばらくは日本も世界も、人々が確かなものを求めて、漂流するときが綿々と続くことでしょう。


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