ぶどうの木のあれこれ

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わずかな一歩でも  

3月になりました。

長い冬を越え、花開く春へと季節はむかっていきます。

今年の冬は、寒かったです。
そして雪が降ることも多かったです。
こういう寒い時期は、外に出ることもつい億劫になってしまうので、体もこころも何となく固まっているような気がします。
疲れが体の奥に沈殿し、何かそれがいつまでも取れない、そんな状態を感じることもありますね。

今日は、雨。

気温がやや高くなったので、雪にならずに済みました。ほっと一息。
春はじまる前の水入り。そんな恵みと希望の雨と信じたいものです。

春の富士



今年もそれとなく3月がやってきました。

一年前のこの時期、東日本は大災害に見舞われました。
日本中が、大きな悲しみと喪失感、そしてどうあがいても抗しきれない自然の猛威に恐怖しました。
今もなお多くの人々の心に、その記憶が鮮やかに、そして暗く鬱積していることでしょう。
それでも、被災にあった人々は長い悲しみから、自分を奮い立たせて、生活を立て直し始めています。自分の家族や町を失った悲しみを胸に抱えて。


失ってしまったものは計り知れないほど大きなものです。簡単に、「復興」とか「絆」という言葉を使っていいものかとためらってしまうほど、圧倒的な巨大規模の破壊を体験しました。
私たちは、被災した人々は、荒野をしばらくふらふらと歩き続けました。
しばらくは悲しみで打ちひしがれ、呆然とした状態で、あてもなく歩くほかありません。被災した人々はこの一年間きっとそんなふうに送ったことだろうと思います。


それでも、何もなくても歩かなくてはいけない。そんな思いに駆られるのも人間です。

一歩だけでも、歩いていけば、視界が少しづつ開け、モノトーンがかかり狭まった視野に、だんだん色が加わり、そして鮮やかに広がりをなしていく。やがて流れる空気を感じ、空の青さが語りかけ、人々の姿や言葉が自分にわずかづつ通り抜けていく。

そうやって、人はまた新しいものに向かって、歩み始めるのです。


建物たちが消えてしまって瓦礫だけが残った町ように、人間の心も空虚になり、荒れ果ててしまうときもあります。
しかし、人間であるかぎり、それも長くは続かないのです。いずれ言葉や心が自分に語りかけ、それが自分というものに力をあたえ、たちあがっていく牽引力となります。

私もこの震災で、言葉や気持ちの力をもう一度信じてみたいと思うようになりました。



今年も、季節は何事もなかったかのように、春を届けてくれます。
花びらが舞うそよ風に、ささやかな希望の香りを感じて、わずかな一歩を踏み出したいものです。

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